山伏とムジナ/日本の昔話…新潟県小千谷市

場所






お話

※現地未訪問のため写真なしです💦
今後訪問したら追加予定です。



昔々、ある天氣のよい日のこと。



小千谷は稗生の山伏が、
荒谷へ荒神祭りへ行こうと山道を歩いていたと。





そうしたら山道の土手で
大きなムジナが昼寝をしていたと。


山伏は

「面白い、驚かしてやれ」


と、ムジナの耳に法螺貝を当て
思いっきり吹いたと。


ムジナは仰天、飛び上がって逃げて行ったと。



山伏は
「いい氣味だ」
と、引き続き山道を歩いていった。






すると、段々辺りが暗くなってきたと。

まだ昼時なので、山伏は不思議に思っていたが、
その間にも歩くのも危うい程に暗くなったと。






山伏が困っていると、山の中に明かりが見えたと。




山伏は、助かった、と思いながら
その家へ辿り着き、

寒くなってきたので懸命に戸を叩き、
一宿を願った。






すると後ろから

「だれだい?」

と大きな声がした。





驚いて振り向くと、この家の主人の
目つきの悪い老人が立っていたと。




山伏は恐怖で逃げたくなりつつも、
今夜泊めて欲しいと頼んだと。



老人は、ばあさんが病氣で無理だ、
と言ったが
山伏は、その病気はまじないで治すから、
と申し出て、無事泊まることになったと。







山伏は家に入り、
早速ばあさんにまじないを始めたと。




真剣にまじないをしたが
いくら祈ってもよくならず、

ばあさんはとうとう亡くなってしまったと。





老人は、ばあさんが亡くなったことを
村に知らせて来ると出かけていったと。




一人残された山伏、怖いやら寂しいやら。
しかしなかなか亭主は戻らなかったと。




山伏が、ふと亡くなったばあさんを
見ていたらば、

寝床の中から細い手がひょいと出て、
枕元の団子を取って引っ込んだと。



山伏は恐ろしくなって、
祈りながら目をそらして我慢していたと。






やっと老人が帰ってきた。

その時、また寝床を見ると
何やら寝床がモゾモゾ動いている。



すると、小さな男の子が
布団から飛び出てきたんだと。

山伏は仰天したが、
死んだばあさんではなく胸をなでおろしたと。






さて老人は山伏に、
お通夜があるから今夜は村の鎮守様へ泊ってくれ、
と言うので、

山伏は鎮守様のお宮で1人寝ることになったと。






お宮で一人寝ていると、
ばあさんの野辺送りの列がお宮にやって来て
棺桶をお宮の前に置いて帰っていった。





山伏がおっかなびくり棺桶を見ると、

ムリムリっと音がして、
棺桶の蓋が開き死んだばあさんが立ち上がった。




そして、

「山伏どこだ~山伏どこだ~!」

死んだ筈のばあさんが叫んだと。


山伏はあまりの恐怖に氣を失ってしまったと。








…目覚めると、そこは山の中のお宮。

まだ昼間の明るさだった。



自分が法螺貝で脅かしたムジナに、
山伏は化かされてしまったんだと。



それから、
ムジナをいじめると化かされるから
氣をつけることにしたんだと。



終わり🦊





あとがき




はい、お送りしたのは
「山伏とムジナ」でした。


山伏がムジナや狐に騙される話は
他の地域にも色々残っていますね。

一方で、人々を救う、または
人身御供等にされ人々を恨んだり、など
様々なお話が見られます。



…それだけ昔は山伏が
庶民の生活に根付いていたんだなあ、
と感じます。




小千谷市を始めとして、
新潟県の山間部には
修験道の伝統や歴史がありますし、

富士信仰や他地域の修験道の信仰の
石碑も残っています。


また、山の神様の十二社も多く残っており、
山岳信仰が庶民の中に浸透していたのが
伺えますね。

あああああああああああああああああああああああ

また、小千谷市の別のムジナのお話
真人のムジナ退治
は有名で、

江戸時代天保年間、実際に小千谷の代官所へ
ムジナの被害甚大で年貢納められない、
との嘆願書が提出され、

実際ムジナ退治が行われた記録も
残っています。


他にも色々、小千谷にはムジナの昔話が
見られます。


今後小千谷の郷土史を読んでいったら
小千谷とムジナについて
色々掘り下げられそうです。




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